半月版

 みたいなもん、今の段階では。もしくはカットしかけの原石。ただ、加工し終わってそれがなんになるのかは、未だ未知数な部分がある。
 基本的に作者が、ハード同人ヲタクの定番を踏んでいるので(仮にスタッフルームのやり取りや、背景が真ならば)物語前半のやり取りに違和感を感じるかどうかが、この作品にのめり込めるかどうかの分岐点になる。絵柄についての違和感は感じるべきではあるが、枷にはならない。いたるや崇が、画力に優れていたからヒットしたわけではない事を考えれば、物語に入り込めればさほど問題ではない(沙都子の足が個人的には気になる→足が無い?)
 結局、分岐や選択肢を付けきちんとした1作品に仕上げずに、作りかけの料理を出す為にあれやこれやと仕掛けをしたように見えるのだが、それが逆に新鮮さとなったのはヒットとなった要因の一つであろう。実際やり終えてみて、既存のビュジュアルノベル形式の作品は、大抵分岐の隅々まで選びつくすのだから、初めから分岐した物語を個別に見せるのは、スキップ機能の拡大解釈と見ても良いのではなかろうか。編同士は微細にずれがあるが、また微細に重なり合っており、それは複数のヒロインを攻略する為に同一時間軸を何度も繰り返す様に似て無くはない。少数で物語を語る為に生み出したアイデアとしたら、これは製作者側の一つの勝利であろう。
 現在、再予約が始まっている、前回の委託ではそれほどの数が出ていない模様。噂ではあるが、ホで3桁販売、滅で初日予約500、虎は委託後は各店舗に2桁程度しか割り振られていなかったそうだ。最終的に前回の出荷数がどれだけだったのかは分からないが、多くても、1000、2000部程度ではなかったのだろうか?今回の予約では、虎が予約を行わずに販売する模様、他店では幾つか再予約が始まっている。仮に虎が一定量を引き受ける(委託ではなく買い取り)するのであれば、今回の再販でかなり流通量は潤滑になる。逆であれば、冬までに待った方がまとめて手に入れられるので、賢明であろう。どちらにせよ、今から購入を考えている人は、予約をすべきなのは確か。
 惨劇に立ち向かうのも耳を塞ぐのも見過ごす事もそれはその人の自由

 あなたなら何を選ぶ?