その漫画は誰のもの?

(株)小学館を提訴。 雷句誠の今日このごろ。/ウェブリブログ
金色のガッシュで一躍漫画界の時の人となった、雷句誠先生ですが
なんだか、違う意味で時の人となったようです。
以前のBlogで、小学館ではもう書かない宣言を出し、
なんだか不穏な空気は感じていたのですが、まさかこんな展開になるとは


一人の人間である以上、感情的になってしまうのは仕方の無いことかもしれません
俺もかつて、非常に凹まされる事態に出会い、感情を制御できずネガティブゲイン
撒き散らした経験がある。だけど、どんなに筋があったとしても
黒い感情を表にぶちまけてしまうと、いつか自分に帰ってくることになると実感しました。※1


雷句先生の今回の行動、ここまでやってしまった事で自身の作家生命が危うくなる
危険性には気がついて(というか覚悟して)いるのでしょうか?ちょっと勇み足ではないかと
Blogのコメントを見る限り、内も外もオープンにして誠実さを醸しでしてる
というよりは、ネガティブな側面を見せすぎ、本筋よりとがった部分が
クローズアップされてしまう可能性が見て取れます。


と、案の定そんな宣言に対しての反論が出ました。それもかなり嫌な形で
橋口たかし 緊急 臨時ブログ|橋口たかしのブログ
「焼きたてジャぱん」等で有名な、橋口たか先生のBlog(らしい)です。
ただし、雷句先生の上記Blog内の名指しによる個人批判に対する反論が主題で
恐らく、次のエントリーも出る可能性がなく、コメントも受け付けておらず、なぜわざわざ
Amebaの垢を取ってBlogの形で反論を出したのかが、理解しかねるところです。
まんが家BACKSTAGE
あたりでも可能な事ではないのかと思うのですが、こちらは作家さんがすぐには更新できない
仕組みでもあるのでしょうか?とは言っても、vol.186まで更新しているような先生もいらっしゃるので(ぉ
そういう理由でもないようです。すると、可能性としては、偽大場つぐみさん
のような可能性も含み、今回の内容を見るべきかもしれません。※2


ところで、橋口たかし先生に関してwikipediaで検索してみると、気になる記述が
橋口たかし - Wikipedia - 最終更新 2008年6月7日 (土) 13:09
>編集者には頭が上がらないようで、編集者の好みを反映し、実名の美少年キャラが登場
>している。 また、編集による作品の引き延ばしがあったのか、『焼きたて!!ジャぱん
>のシリーズ焼きたて25前後では、 ストーリーの破綻、それを自嘲気味に語る巻末漫画な
>どが描かれている。そのため読者からは編集に対する不満が多い。
「焼きたてジャぱん」は連載当初は、作画の完成度とパン漫画という奇抜さに引かれ
また、その内容も面白く読んでいましたが、記述にあるように後半の破綻に嫌気がさし
とどめのダルシムで、落胆させられた印象が鮮明に残っています。


また、雷句先生のBlogにて言及されている編集者に関して、こんな逸話があるようです。
閑話休題・裏ジャぱん用語辞典
ん〜、これだけ見ると作品を私物化しているようにしか見えないのですが、楽屋落ち的な
自爆ギャグと見た方が正解なのかなぁ。その辺判断しかねます。


で、wikipediaの記載より、仲の良いとされている
「WILD LIFE」の藤崎聖人先生に焦点を合わせてみると、こんなサイトが
違和感を感じる「WILD LIFE」受賞の言葉 - 猫は勘定にいれません
下のコメント欄にも書かれていますが、今回の訴訟を裏付けるような発言を見つけます。
以下、藤崎聖人先生の公式ページ - 日記より
>5年間ワイルドライフを描いてきて
>ぶっちゃけ心の底から"よかった”と思ったことなど
>ひとっつもないくらい、忘れたいくらい
>いい思い出のない作品だったんだけど
>こんなたくさんの才能が結集して
>TVドラマだなんて思えないくらい素晴らしい大作に
>仕上げていただけたことに感激して
>見終わった後、
>不覚にも涙がでてしまいました。
俺が買い続けている漫画雑誌は今2種しか無く、そのうちの一つが週刊少年サンデー
ワイルドライフも当初読んではいたけど、株話等の迷走をしだしてから
本来の動物医療漫画としての魅力も失ってしまい、後半はほとんど読み飛ばしていた。
正直、連載終了間際になんで今更ドラマ化なのか、合点がいかなかったのです。※3


それにしても、言及されている編集者の人となりは、実際見ていない俺には分からないけれど
関わった作家は、連載後半になるにつれ本来の主題を見失い、魅力が失われてしまう
傾向がある事は、結果を見るかぎり、あるのか知れません ※4


今回の騒動を見て、特に思いを募らせたのは
編集者や上層部が、映画化やドラマ化等の一種のメディアミックスありきで、
作家や人を動かしている様子が、あからさま過ぎる感があるのですが、自分の気のせいなのでしょうか?
今週終わった飛び込み漫画「DIVE」も、映画化の為に連載を調整されていたとしか思えないような
延命の仕方と、また最終回のまとめ方って、どうなのよ!と思ったばかりだったので。
今回の訴訟の件と相まって、なんだかサンデーという雑誌への愛着が、揺らいできてしまいます・・・


人気が出た上でのアニメ化や映画化は、大変喜ばしいことですが ※5
漫画雑誌での、漫画人気主導に寄らないメディアミックス展開は、一読者から見ても
あからさまに作家をメディア展開の一部として"使って"いるように見えてしまいます。
なんだか、純粋に漫画を楽しめなくってしまっている自分が悲しいです。


単に、俺が重箱の隅をつつき過ぎてるだけの偏屈であれば良いのですが、
何かがおかしいと思っているのは自分だけなのでしょうか?


最後に
「金色のガッシュ」は、ファウード編あたりまでに区切れば
熱い熱い漫画で、クリア編はちょっと冗長な感が否めませんでしたが
雷句先生は、非常に面白い漫画を描けうる作家の一人である事は間違いありません。
なので、変な諍いは早々に終結させ、新天地にて新たな漫画を見せて欲しいというのが、
今回の件を見ての一読者として出せる簡潔な感想です。




※1 だからといって、クローズドコミュニティで毒を吐くのは容認する気は無いけどー
※2 6月7日(土)23:41現在AmebaのBlogは削除されたようです。
いつまで残るかわかりませんが、魚拓の方をどうぞ
http://ameblo.jp/hassy1967/ - 2008年6月7日 17:40 - ウェブ魚拓


※3 ただ、ドラマが純粋に動物医療だけに焦点を置いた内容なら期待を持ちたい
※4 関わっている他の作品を自分は知らないので、上記2作品を見ての印象にはなってしまいますが

※5 とはいっても、最近のアニメ化は一概に…
※6 「子供騙し」を真剣に取り組めない
  「子供騙し」を純粋に楽しめない
 そんな大人の方が、よっぽど「大人げ無い」なのですよ。